家族滞在ビザの収入はいくら必要?扶養能力と審査ポイントを解説
家族滞在ビザの申請では、扶養者の収入が重要な審査材料になります。そのため、「年収はいくらあれば許可される?」「収入が少ないと不許可になる?」と心配する方も多いでしょう。
しかし、家族滞在ビザについて「年収○万円以上」という一律の基準額が公表されているわけではありません。実際には、家族構成や生活状況なども含めて扶養能力が確認されます。
また、収入額だけを見るわけではありません。扶養者の職業や収入を証明する資料も重要です。
この記事では、家族滞在ビザと収入の関係を解説します。扶養能力の考え方や収入証明、申請前に確認したいポイントを見ていきましょう。
家族滞在ビザでは扶養能力が重要
「家族滞在」は、日本で一定の在留資格を持って活動する外国人から扶養を受ける配偶者や子などを対象とする在留資格です。
そのため、申請では扶養者が家族の生活を支えられるかどうかが重要になります。
例えば、会社員として働いている方が配偶者や子を日本へ呼ぶ場合を考えてみましょう。この場合、扶養者の職業や収入などを示す資料を提出します。
一方、留学生などが家族を扶養するケースもあります。この場合には、預金残高や奨学金など、生活費を支弁できることを示す資料が重要になります。
したがって、家族滞在ビザでは単純な年収額だけでなく、実際に家族を扶養できる状況にあるかがポイントになります。
家族滞在ビザに必要な年収はいくら?
家族滞在ビザを検討するとき、最も気になるのが「必要な年収はいくらか」という点でしょう。
しかし、出入国在留管理庁は、家族滞在について「年収○万円以上であれば許可する」という一律の金額を公表していません。
そのため、「年収300万円あれば必ず許可される」などと判断することはできません。反対に、一定額を下回っただけで自動的に不許可になるとも限りません。
扶養者本人の収入だけでなく、扶養する家族の人数や生活状況などによって事情は異なります。
例えば、配偶者1人を扶養する場合と、配偶者と複数の子を扶養する場合では、必要となる生活費も変わります。
したがって、申請では年収の数字だけを見るのではなく、家族全体の生活を安定して維持できるかという視点が重要です。
扶養者が会社員の場合に提出する収入証明
扶養者が会社員などとして報酬を得ている場合は、職業と収入を証明する資料を提出します。
出入国在留管理庁の「在留資格『家族滞在』」では、在職証明書など、扶養者の職業が分かる資料が案内されています。
さらに、住民税の課税証明書と納税証明書も基本的な資料です。1年間の総所得と納税状況を確認できるものを準備します。
なお、総所得と納税状況の両方が1通の証明書に記載されている場合は、その証明書だけで足りる場合があります。
これらの資料によって、現在の職業だけでなく、実際の所得や納税状況も確認されます。
扶養者が留学生などの場合はどうする?
扶養者が会社員とは限りません。例えば、「留学」の在留資格で日本にいる方が家族を扶養する場合もあります。
このような場合、給与収入だけを基準に考えることはできません。
出入国在留管理庁では、扶養者が収入を伴う事業や報酬を受ける活動をしていない場合の資料も案内しています。
具体的には、扶養者名義の預金残高証明書が挙げられています。また、給付金額と給付期間が分かる奨学金の証明書などを提出する場合もあります。
つまり、重要なのは「給与があるか」だけではありません。家族の生活費を継続して支弁できることを、客観的な資料で示す必要があります。
家族の人数によって扶養能力の見方は変わる?
扶養能力を考えるときは、扶養する家族の人数も無視できません。
同じ収入であっても、配偶者1人を扶養するケースと、配偶者と子ども数人を扶養するケースでは生活費が異なります。
また、住居費などの生活状況も世帯によって違います。そのため、単純に他人の許可事例と年収だけを比較するのは適切ではありません。
「知人は同じ年収で許可された」という情報だけで、自分も許可されると判断するのは避けたほうがよいでしょう。
申請人と扶養者の関係、家族構成、収入や資産などを整理し、自分の世帯として安定した生活が可能であることを説明できるよう準備することが重要です。
収入が少ない場合は家族滞在ビザを申請できない?
収入が少ないという理由だけで、申請そのものができなくなるわけではありません。
一方で、家族を扶養するための経済的な基盤を十分に説明できない場合は、審査上の問題になる可能性があります。
そのため、現在の収入だけで判断せず、世帯の状況を整理することが大切です。
例えば、一定の預貯金がある場合には、その事実が生活基盤を説明する材料になることがあります。また、留学生であれば奨学金などが生活費の支弁能力を示す資料になる場合もあります。
ただし、どの資料を提出すれば必ず許可されるというものではありません。申請内容に応じて、扶養能力を客観的に説明できる資料を準備しましょう。
家族滞在ビザの収入証明で注意したいポイント
1.証明書の発行日に注意する
出入国在留管理庁では、日本で発行される証明書について、原則として発行日から3か月以内のものを提出するよう案内しています。
早く取得しすぎると、申請時には古くなっている可能性があります。申請時期を考えながら取得しましょう。
2.外国語の書類には日本語訳を付ける
外国語で作成された提出書類には、日本語の訳文を添付します。
例えば、海外で発行された家族関係の証明書などを提出する場合は、翻訳の準備も忘れないようにしましょう。
3.追加資料を求められる場合がある
掲載されている必要書類を提出すれば、必ず追加資料なしで審査が終わるとは限りません。
審査の過程で、入管から別の資料を求められる場合があります。その際は、提出期限や求められた内容を確認して対応することが重要です。
4.年収だけで自己判断しない
家族滞在ビザには、一律に公表された年収基準がありません。
そのため、インターネット上の「○万円なら大丈夫」という情報だけで判断するのは避けましょう。家族構成や生活状況を含めて検討する必要があります。
まとめ|家族滞在ビザは年収額だけで判断しない
家族滞在ビザでは、扶養者が家族の生活を支えられるかどうかが重要です。
ただし、「年収○万円以上」という一律の基準額が公表されているわけではありません。そのため、特定の金額だけで許可・不許可を判断することはできません。
会社員などの場合は、在職証明書や住民税の課税・納税証明書などを準備します。一方、留学生などの場合は、預金残高や奨学金などが重要になることがあります。
家族の人数や生活状況によっても事情は異なります。申請前に、自分の世帯について扶養能力をどのような資料で説明するか整理しておきましょう。
2026年8月時点の最新情報
2026年8月時点
出入国在留管理庁の「家族滞在」の案内では、扶養者が就労している場合、職業と収入を証明する資料が必要とされています。
また、日本で発行される証明書は、原則として発行日から3か月以内のものを提出します。外国語で作成された書類には、日本語の訳文が必要です。
なお、2026年6月14日以降に交付される在留カードについては、写真提出に関する取扱いも変更されています。現在は、在留カード交付日に1歳未満の方について写真提出が不要とされています。
申請前には、出入国在留管理庁が公表している最新の必要書類を確認してください。
よくある質問
Q1.家族滞在ビザは年収300万円あれば許可されますか?
年収300万円など、特定の金額を満たせば必ず許可されるという一律の基準は公表されていません。家族構成や生活状況、扶養能力などを含めて審査されます。
Q2.扶養者が留学生でも家族滞在ビザを申請できますか?
対象となる在留資格を持つ留学生が家族を扶養するケースもあります。その場合、預金残高証明書や奨学金に関する証明書など、生活費を支弁できることを示す資料が重要になります。
Q3.収入が少ないと必ず不許可になりますか?
収入額だけで一律に決まるわけではありません。ただし、家族を安定して扶養できることを十分に説明できない場合は、審査に影響する可能性があります。
Q4.課税証明書は古いものでも使えますか?
出入国在留管理庁では、日本で発行される証明書について、原則として発行日から3か月以内のものを提出するよう案内しています。