在留資格変更申請中は働ける?申請中の活動と注意点を解説
「留学から就職するために在留資格変更申請をしました。許可が出るまで働いても大丈夫ですか?」
「家族滞在から就職する場合、申請中からフルタイムで働けますか?」
このような疑問を持つ方は少なくありません。
在留資格変更許可申請を提出したからといって、変更後の在留資格がすでに許可されたわけではありません。
申請中にどのような活動ができるのかは、現在の在留資格、現在認められている活動、資格外活動許可の有無、変更後に予定している活動などによって判断する必要があります。
特に注意したいのは、
「在留資格変更申請中だから、新しい在留資格で予定している仕事を始めてもよい」
とは限らないことです。
この記事では、2026年9月時点の出入国在留管理庁の情報をもとに、在留資格変更申請中の就労や活動について、ケース別に分かりやすく解説します。
在留資格変更申請中とは?
在留資格変更許可申請とは、現在持っている在留資格から、別の在留資格に変更するための手続きです。
例えば、
- 「留学」から「技術・人文知識・国際業務」へ変更する
- 「家族滞在」から就労資格へ変更する
- 現在の就労資格から別の在留資格へ変更する
といったケースがあります。
基本的な流れは、
現在の在留資格 → 在留資格変更許可申請 → 審査 → 許可 → 新しい在留資格
という形です。
ここで重要なのは、申請した時点と、変更許可を受けた時点は同じではないということです。
出入国在留管理庁も、在留資格変更許可申請について「活動内容を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合」に行う手続きと説明しています。
在留資格変更申請中に仕事をしてもいい?
ここが、この記事で最も重要なポイントです。
在留資格変更申請を提出しただけで、変更後の在留資格に基づく活動を自由に始められるわけではありません。
申請中にできる活動については、まず現在の在留資格で何が認められているのかを確認する必要があります。
例えば、
- 現在の在留資格で認められている活動なのか
- 資格外活動許可を受けているのか
- これから始めようとしている仕事が現在の在留資格の範囲内なのか
- 変更後の在留資格で初めて認められる活動なのか
といった点を確認します。
出入国在留管理庁は、資格外活動許可について、現在有している在留資格に属さない収入を伴う事業や報酬を受ける活動を行おうとする場合に必要となる制度と説明しています。
したがって、「変更申請を出したから、今日から新しい会社でフルタイム勤務を始めてよい」と単純に判断するのは危険です。
ケース別に考えるとどうなる?
在留資格変更申請中の活動については、現在の在留資格によって考え方が変わります。
ケース1:留学から「技術・人文知識・国際業務」へ変更する場合
大学や専門学校を卒業して、日本の会社に就職するために「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更を申請するケースです。
この場合、
在留資格変更申請を提出したことだけを理由に、変更後の「技術・人文知識・国際業務」に該当する仕事を自由に始められるわけではありません。
現在の「留学」の在留資格で認められている活動と、実際に仕事を開始する時期との関係を確認する必要があります。
特に、卒業後は「留学」の在留資格に該当する活動を継続しているとは限らないため、就職開始時期と在留資格の関係には注意が必要です。
出入国在留管理庁も、留学生が卒業した場合、「留学」の在留資格に該当しないこととなるため、一定の場合には「特定活動」への変更を認める制度を案内しています。
また、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格についても、変更申請は新たにその在留資格に該当する活動を行おうとする場合の手続きとして案内されています。
ケース2:家族滞在から就労資格へ変更する場合
「家族滞在」の在留資格から、就労可能な在留資格への変更を申請するケースです。
家族滞在は、原則として就労を目的とした在留資格ではありません。
ただし、資格外活動許可を受けている場合には、許可された範囲内でアルバイト等を行うことができます。
例えば、包括許可を受けている場合には、原則として週28時間以内などの制限があります。
そのため、家族滞在から就労資格への変更申請中だからといって、申請した新しい仕事を自由に開始できると考えるのではなく、現在の資格外活動許可の範囲と、新しい仕事を開始する時期を確認する必要があります。
ケース3:現在の就労資格から別の在留資格へ変更する場合
現在すでに就労資格を持っている方が、別の在留資格への変更を申請するケースでも同じ考え方が必要です。
例えば、現在の在留資格で認められている仕事を続けている場合と、変更申請後に新しい活動を開始する場合では、確認すべき点が異なります。
重要なのは、
「現在の在留資格で認められている活動」と「変更後に予定している活動」を分けて考えること
です。
現在の在留資格の範囲を超える活動を、変更申請中だからという理由だけで開始しないよう注意しましょう。
「申請中だから新しい仕事を始めていい」は危険
在留資格変更申請を提出すると、申請受付の記録などが残ります。
しかし、
- 在留資格変更申請を提出した
- 受付票がある
- 現在審査中である
- 現在の在留期限もまだ残っている
という事情だけから、
「変更後の仕事を始めてもよい」
とは判断できません。
申請と許可は別のものだからです。
現在の在留資格で認められていない活動を行う場合には、資格外活動許可が必要となる場合があります。
また、出入国在留管理庁は、在留資格変更申請について、本来の在留資格に基づく活動を行っていない場合には、在留資格を取り消される場合があると案内しています。
そのため、申請中の就労について迷った場合は、
「変更申請を出したかどうか」ではなく、「現在の在留資格で、その仕事が認められているか」
という視点から確認することが重要です。
在留期限が申請中に来た場合は?
在留資格変更申請をしている間に、現在の在留期限が到来するケースもあります。
この場合、
「在留期限が来ること」と「申請中にどの活動ができるか」は、分けて考える必要があります。
在留資格変更申請については、一定の条件を満たす場合に、在留期限後も申請中の状態を継続できる「特例期間」が関係することがあります。
ただし、特例期間があることと、変更後の在留資格に基づく活動を自由に開始できることは別問題です。
特例期間の仕組みについては、次の記事で詳しく解説しています。
変更申請が不許可になったら?
在留資格変更申請を提出しても、必ず許可されるとは限りません。
不許可となった場合には、
- 変更申請が認められなかったこと
- 現在の在留資格がどうなっているか
- 現在の在留期限がいつまでなのか
- 今後どのような手続きが必要なのか
などを確認する必要があります。
特に、変更申請中に新しい仕事を始めていた場合には、その活動が現在の在留資格との関係で適法に行われていたのかという点も確認が必要です。
不許可後の再申請や出国までの詳しい流れについては、次の記事で解説しています。
在留資格変更申請中に注意したい3つのこと
1.現在の在留資格を確認する
まず、自分が現在どの在留資格を持っているのかを確認しましょう。
そして、その在留資格で現在どのような活動が認められているのかを確認します。
在留資格によって認められる活動は異なります。
2.変更後の活動を勝手に開始しない
在留資格変更申請を提出しただけでは、変更後の在留資格が許可されたことにはなりません。
そのため、
「申請したから大丈夫」
「会社から採用されたから働ける」
と自己判断せず、現在の在留資格との関係を確認することが重要です。
3.資格外活動許可がある場合は、その範囲を確認する
資格外活動許可を取得している場合でも、どのような活動がどの範囲で認められているのかを確認する必要があります。
例えば、包括許可では週28時間以内などの制限があります。
資格外活動許可があるからといって、どのような仕事でも自由にできるわけではありません。
まとめ|在留資格変更申請中の活動は「現在の資格」を基準に考える
在留資格変更申請を提出しただけでは、変更後の在留資格が許可されたことにはなりません。
そのため、申請中にどのような活動ができるのかを判断するときは、
- 現在の在留資格
- 現在の在留資格で認められている活動
- 資格外活動許可の有無とその範囲
- 変更後に予定している活動
- 実際に新しい仕事を開始する時期
などを確認する必要があります。
特に、
「在留資格変更申請中だから、変更後の仕事を始めてもよい」
という考え方は避ける必要があります。
申請中の活動について判断に迷う場合は、現在の在留資格と、これから行おうとしている活動を整理したうえで確認することが大切です。
2026年9月時点の最新情報
2026年9月時点で、出入国在留管理庁は、在留資格変更許可申請について、現在の在留資格から別の在留資格に変更し、新しい在留資格に該当する活動を行おうとする場合の手続きと案内しています。
また、変更申請について、本来の在留資格に基づく活動を行っていない場合には、在留資格を取り消される場合があると案内されています。
一方、資格外活動許可については、現在有している在留資格に属さない収入を伴う事業や報酬を受ける活動を行おうとする場合の制度とされています。
そのため、在留資格変更申請中の就労については、「申請したかどうか」だけで判断するのではなく、現在の在留資格と資格外活動許可、実際に行う活動の内容などを確認することが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q1.在留資格変更申請中は新しい会社で働けますか?
一律には判断できません。
現在の在留資格で認められている活動なのか、資格外活動許可があるのか、変更後に予定している活動なのかなどを確認する必要があります。
特に、変更申請を提出したことだけを理由に、新しい在留資格に基づく仕事を開始できると考えるのは適切ではありません。
Q2.留学から就労資格への変更申請中に働けますか?
現在の「留学」の在留資格で認められている活動、資格外活動許可の有無、卒業の時期、実際の就職開始時期などを確認する必要があります。
特に、卒業後は「留学」の在留資格に該当する活動との関係に注意が必要です。
Q3.変更申請を出したら新しい在留資格になったと考えていいですか?
いいえ。
申請と許可は別です。
在留資格変更許可申請を提出しただけで、変更後の在留資格が付与されたことにはなりません。
Q4.変更申請中に在留期限が来たらどうなりますか?
一定の場合には、在留期限後も申請中の状態を継続できる「特例期間」が関係します。
ただし、特例期間の問題と、申請中にどの活動ができるかという問題は別に考える必要があります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
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在留資格変更申請中の仕事について迷っている方へ
在留資格変更申請中に仕事を続けられるのか、新しい会社で働き始めてもよいのかは、単純に「申請中かどうか」だけでは判断できません。
現在の在留資格、現在認められている活動、資格外活動許可の有無、変更後の在留資格、実際の仕事内容などを確認する必要があります。
特に、
- 留学から就職する
- 家族滞在から就労資格へ変更する
- 現在の仕事を辞めて別の仕事を始める
- 変更申請中に新しい会社から勤務開始を求められている
といった場合には、申請中の活動について事前に確認しておくことが重要です。
当事務所では、現在の在留資格とこれから行おうとしている活動を確認し、在留資格変更申請についてご相談いただけます。