配偶者ビザの質問書とは?書き方と注意点を解説

「配偶者ビザの質問書には何を書けばいい?」
「交際期間が短い場合はどう書けばいい?」
「写真やチャット履歴と内容が違っていたらどうなる?」

このような疑問を持つ方は少なくありません。

在留資格「日本人の配偶者等」の申請では、質問書が提出書類の一つとなっています。

質問書では、夫婦の基本的な情報だけでなく、出会った時期や結婚に至った経緯、夫婦間で使用する言語、結婚式、婚姻歴、渡航歴、親族などについて確認されます。

そのため、単に質問に答えるだけではなく、実際の夫婦関係や結婚までの経緯を正確に整理して記載することが重要です。

一方で、「質問書を上手に書けば配偶者ビザが許可される」というものではありません。

質問書だけでなく、申請書、婚姻関係を証明する資料、夫婦間の交流資料、生活状況などを含めて、申請内容全体が確認されます。

この記事では、2026年9月時点の出入国在留管理庁の情報をもとに、配偶者ビザの質問書について、何を聞かれるのか、どのように書けばよいのか、注意すべきポイントを分かりやすく解説します。


配偶者ビザの質問書とは?

質問書は、在留資格「日本人の配偶者等」の申請において提出する書類の一つです。

出入国在留管理庁の現在の案内では、日本人の配偶者である外国人が申請する場合、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留資格取得許可申請の提出書類として質問書が掲載されています。

一方、通常の在留期間更新許可申請については、現在の出入国在留管理庁の提出書類一覧に質問書は掲載されていません。

そのため、「配偶者ビザなら必ず更新のたびに質問書を書く」と考えるのは正確ではありません。

また、現在掲載されている質問書は、平成29年(2017年)6月6日に改訂された様式で、「新様式による提出」をするよう案内されています。

出入国在留管理庁「在留資格『日本人の配偶者等』」

質問書には、夫婦の出会いや結婚までの経緯だけでなく、意思疎通の方法、結婚式、婚姻歴、渡航歴、退去強制歴、親族などについての質問があります。

そのため、申請前に夫婦で過去の経緯を整理しておくことが大切です。


質問書では何を聞かれる?

現在の質問書は複数ページにわたり、夫婦の関係やこれまでの経緯について詳しく確認する構成になっています。

主な内容を整理すると、次のようになります。

項目主な内容
1申請人・日本人配偶者の基本的な情報
2初めて会った時期・場所、結婚に至った経緯
3夫婦間の会話で使用する言語など
4婚姻届の証人に関する情報
5結婚式・披露宴の時期、場所、出席者など
6申請人・配偶者それぞれの婚姻歴
7申請人のこれまでの来日歴
8日本人配偶者の申請人の母国への渡航歴
9申請人の退去強制・出国命令等の経歴
10退去強制等がある場合の詳細
11申請人・配偶者の親族、子どもについて
12今回の結婚を知っている親族について

このように、質問書は単なる住所や氏名を確認する書類ではありません。

「どのように知り合い、どのような経緯で交際し、どのように結婚に至ったのか」という夫婦関係に関する情報も確認する書類です。


質問書の「結婚に至った経緯」はどう書く?

質問書の中でも、多くの方が書き方に迷いやすいのが「結婚に至った経緯」です。

ここでは、初めて会った時期・場所や、初めて会ってから結婚届を提出するまでの経緯を説明します。

例えば、

  • どこで知り合ったのか
  • どのようなきっかけで知り合ったのか
  • いつ頃から交際したのか
  • 交際中にどのような交流があったのか
  • 遠距離交際をしていた期間があるか
  • お互いの家族に会ったか
  • 結婚を決めたきっかけは何か
  • いつ婚姻届を提出したのか

などについて、実際の経緯に沿って整理します。

質問書の記入欄だけでは十分に説明できない場合には、別紙を用いて補足する方法もあります。

ただし、別紙を作成する場合でも、事実をより分かりやすく説明するための補足資料として考えることが重要です。

「許可されやすいストーリー」を作るための作文ではありません。


質問書を書くときの3つのポイント

1.事実を正確に書く

質問書では、まず実際の事実を正確に記載することが重要です。

例えば、

  • 初めて会った時期
  • 交際を始めた時期
  • 結婚を決めた時期
  • 婚姻届を提出した時期
  • 来日した時期
  • お互いの国を訪問した時期

などについて、記憶だけで曖昧な日付を作るのではなく、パスポートや写真、メッセージ履歴など、確認できる資料があれば照らし合わせて整理しましょう。

どうしても正確な日付まで分からない場合は、無理に推測して記載するのではなく、現行様式の記載方法を確認したうえで、事実関係が分かる形で記載することが大切です。

2.他の提出資料との整合性を確認する

質問書だけを見て内容を決めるのではなく、他の提出資料との整合性も確認しましょう。

例えば、

  • 質問書では交際開始が2024年1月となっている
  • 写真は2023年12月に二人で撮影されている
  • チャット履歴では2023年10月から継続的に連絡している

という場合、必ずしも直ちに問題になるとは限りません。

ただし、「交際開始」と「初めて連絡を取った時期」が異なるなど、実際には説明できる事情があるのであれば、その関係を整理しておく必要があります。

日付が違うこと自体を恐れるのではなく、「なぜ違うのか」を事実に基づいて説明できる状態にしておくことが重要です。

3.特殊な事情を隠さず説明する

例えば、

  • 交際期間が短い
  • 年齢差が大きい
  • 国際遠距離交際だった
  • 結婚後もしばらく別居している
  • 再婚である
  • 以前から知り合いだったが、交際開始時期が遅かった

など、一般的なケースとは異なる事情がある場合もあります。

このような事情があるからといって、質問書で事実を隠すのではなく、実際に何があったのかを具体的に説明できるように整理することが重要です。


交際期間が短い場合、質問書はどう書く?

「交際期間が短いのですが、配偶者ビザは大丈夫でしょうか?」という相談もあります。

交際期間が短いことだけを理由として、配偶者ビザが自動的に不許可になるわけではありません。

一方で、交際から結婚までの期間が短いのであれば、質問書ではその経緯を正確に説明することが重要です。

例えば、

  • どのように知り合ったのか
  • なぜ短期間で交際・結婚に至ったのか
  • 交際中にどのような交流があったのか
  • お互いの家族は結婚を知っているのか
  • 結婚後はどのように生活する予定なのか

など、実際の事情を整理します。

重要なのは、交際期間を長く見せることではありません。

短い期間で結婚したのであれば、その事実を前提として、出会いから結婚までの経緯を正確に説明することが基本です。

配偶者ビザの審査全体については、次の記事で詳しく説明しています。

配偶者ビザの審査で見られるポイントとは?

また、交際期間が短いことを含め、どのような事情が不許可につながる可能性があるのかについては、こちらも参考にしてください。

配偶者ビザでよくある不許可理由5選


質問書と写真・チャット履歴が違う場合は?

質問書を書くときに特に注意したいのが、質問書と他の提出資料との整合性です。

出入国在留管理庁は、「日本人の配偶者等」の申請において、質問書とは別に「夫婦間の交流が確認できる資料」の提出を案内しています。

現在の公式案内では、具体的な資料として、

  • 二人で写っており、容姿がはっきり確認できるスナップ写真2~3葉
  • SNS記録
  • 通話記録

が挙げられています。

なお、スナップ写真については、アプリ加工したものは不可と明記されています。

出入国在留管理庁「在留資格『日本人の配偶者等』」

例えば、質問書では「2024年5月から交際」と書いているのに、提出した写真やSNS記録からはそれ以前から継続的な交際があったように見える場合には、事実関係を整理しておく必要があります。

ただし、資料の時期が違うからといって、すべてが矛盾になるわけではありません。

「知り合った時期」
「連絡を始めた時期」
「交際を始めた時期」
「初めて直接会った時期」

など、それぞれが異なるケースもあります。

重要なのは、提出した資料全体から見て、実際の経緯を説明できる状態になっていることです。


質問書でやってはいけないこと

質問書を作成するときには、次のような対応は避ける必要があります。

  • 事実と異なる内容を書く
  • 不利になりそうな事実を意図的に隠す
  • 日付を推測して適当に記載する
  • 他の提出資料と矛盾する内容を書く
  • 他人の質問書をそのままコピーする
  • 「許可されやすい文章」に事実を合わせる

特に注意したいのが、インターネット上にある「質問書の記入例」です。

記入例は書き方を理解するための参考にはなりますが、他人の交際経緯を自分たちの経緯に当てはめてはいけません。

質問書で重要なのは、きれいな文章を書くことではなく、自分たちの実際の経緯を正確に説明することです。


質問書を書く前に整理しておきたいこと

質問書を書き始める前に、次の事項を整理しておくとスムーズです。

  • 初めて知り合った時期・場所
  • 知り合ったきっかけ
  • 交際を始めた時期
  • 交際中の主な出来事
  • 初めて直接会った時期・場所
  • お互いの国への渡航歴
  • プロポーズ・結婚を決めた経緯
  • 婚姻届を提出した日
  • 結婚式・披露宴の有無
  • お互いの家族に紹介した時期
  • 夫婦間で使用する言語
  • 過去の婚姻歴
  • 現在の住所・生活状況
  • 申請人の過去の来日歴
  • 退去強制・出国命令等の有無
  • 双方の親族に関する情報

特に、交際から結婚までの流れについては、年月順に簡単な年表を作っておくと、質問書を書く際に整理しやすくなります。

例えば、

出会い → 連絡開始 → 初めて会う → 交際開始 → 家族への紹介 → 婚約・結婚決定 → 婚姻届 → 現在

という流れで整理すると、質問書の内容を確認しやすくなります。


質問書は誰が書けばいい?

質問書は、夫婦の実際の経緯を確認しながら記載することが重要です。

日本人配偶者だけ、外国人配偶者だけが一人で記憶に頼って作成するのではなく、二人で交際から結婚までの時系列を確認することをおすすめします。

特に、

  • 初めて会った時期
  • 交際開始時期
  • 渡航歴
  • 結婚を決めた時期
  • 家族に紹介した時期

などは、夫婦で認識が一致しているか確認しておきましょう。

ただし、夫婦で記憶が完全に一致しないこと自体を過度に問題視する必要はありません。

記憶違いがある場合には、資料を確認しながら事実関係を整理することが大切です。


質問書だけで配偶者ビザの審査結果が決まるわけではない

質問書は重要な提出資料の一つですが、質問書だけで配偶者ビザの許可・不許可が決まるわけではありません。

出入国在留管理庁は、申請後の審査において、掲載されている提出資料以外の資料を求める場合もあると案内しています。

出入国在留管理庁「在留資格『日本人の配偶者等』」

配偶者ビザの申請では、例えば、

  • 婚姻関係を証明する資料
  • 質問書
  • 夫婦間の交流資料
  • 日本での生活費用を証明する資料
  • 在留状況に関する資料
  • その他、申請内容を説明する資料

などを含めて、申請内容全体を整理する必要があります。

そのため、「質問書だけ完璧に書けば大丈夫」と考えるのではなく、申請書と添付資料を含めて、全体として事実関係を説明できる状態にすることが重要です。

配偶者ビザの必要書類については、次の記事で詳しく説明しています。

配偶者ビザ申請に必要な書類とは?


2026年9月時点の最新情報

2026年9月時点で、出入国在留管理庁の「在留資格『日本人の配偶者等』」のページには、日本人の配偶者である外国人について、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留資格取得許可申請の提出書類として質問書1通が掲載されています。

質問書については、日本語版のほか、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語の様式も掲載されています。

また、現在掲載されている質問書について、出入国在留管理庁は平成29年6月6日に様式を改訂しているため、新様式を使用するよう案内しています。

出入国在留管理庁「在留資格『日本人の配偶者等』」

さらに、質問書とは別に「夫婦間の交流が確認できる資料」として、二人で写ったスナップ写真2~3葉、SNS記録、通話記録などが案内されています。

スナップ写真については、二人が写っており、容姿がはっきり確認できるものが求められ、アプリ加工した写真は不可とされています。

出入国在留管理庁「『日本人の配偶者等』に係る提出書類一覧」

また、日本で発行される証明書は原則として発行日から3か月以内のもの、外国語で作成された提出資料には日本語訳を添付するよう案内されています。

審査の過程で、掲載されている提出資料以外の資料を求められる場合もあります。

実際に申請する際には、質問書を以前の様式のまま使用せず、必ず出入国在留管理庁の最新の様式・提出書類を確認してください。


まとめ|質問書は「許可される文章」ではなく「事実」を書く

配偶者ビザの質問書は、夫婦の基本情報だけでなく、出会いから結婚までの経緯、夫婦間の意思疎通、婚姻歴、渡航歴、親族などについて確認する重要な提出資料です。

質問書を書くときは、

  • 実際の事実を正確に書く
  • 日付や経緯を資料と照らし合わせる
  • 申請書や写真、SNS記録などとの整合性を確認する
  • 特殊な事情がある場合も隠さず説明する
  • 他人の記入例をそのままコピーしない

ことが基本です。

特に、

「許可されやすい質問書を書く」のではなく、「自分たちの実際の夫婦関係を正確に説明する」

という考え方が重要です。

交際期間が短い、年齢差が大きい、遠距離交際だった、再婚である、婚姻後に別居しているなど、説明が必要な事情がある場合には、質問書だけでなく申請全体の内容を整理しておく必要があります。

「質問書の書き方が分からない」というだけでなく、自分たちの交際・結婚の経緯をどのように説明すればよいのか分からないという場合には、現在の状況を整理したうえで申請方法を検討することが大切です。

当事務所では、配偶者ビザの申請について、交際・結婚の経緯や現在の生活状況などを確認しながらご相談いただけます。

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よくある質問(FAQ)

Q1.配偶者ビザの質問書は必ず提出する必要がありますか?

在留資格「日本人の配偶者等」の申請では、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留資格取得許可申請について、出入国在留管理庁の提出書類一覧に質問書が掲載されています。

一方、通常の在留期間更新許可申請については、現在の提出書類一覧に質問書は掲載されていません。

申請する手続きによって異なるため、最新の提出書類を確認してください。

Q2.質問書はどのようなことを聞かれますか?

夫婦の基本情報、出会いから結婚までの経緯、夫婦間の会話で使用する言語、婚姻届の証人、結婚式、婚姻歴、来日歴、渡航歴、退去強制歴、親族などについて確認されます。

Q3.交際期間が短い場合は不利になりますか?

交際期間が短いという事情だけで、配偶者ビザの許可・不許可が決まるわけではありません。

ただし、短期間で結婚したのであれば、出会いから結婚に至った経緯を事実に基づいて説明できるよう整理しておくことが重要です。

Q4.質問書と写真やSNSの内容が少し違っていても大丈夫ですか?

資料の時期や内容に違いがある場合には、まず実際の経緯を確認することが重要です。

例えば、「知り合った時期」と「交際を始めた時期」が異なるなど、理由が明確な違いもあります。

重要なのは、提出資料全体として事実関係を説明できることです。

Q5.質問書で不利になりそうなことは書かなくてもいいですか?

事実を意図的に隠したり、事実と異なる内容を記載したりすることは避けるべきです。

交際期間が短い、再婚である、遠距離交際だったなどの事情がある場合も、実際の事情を正確に整理して説明することが基本です。


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